ブルガリアで踊るバレエダンサーTomokiのブログ

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YouTube文字起こし【最近見た『バレエ学校での体重測定は必要か?』という記事を見た】

最近見た『バレエ学校での体重測定は必要か?』という記事を見た

youtu.be

記事の内容はバレエ学校で衣装合わせの時に採寸などをしてもらう際、

衣装とは関係ないはずの体重まで計られ、それ(体重)を周りにいる他の子達にも聞こえるくらいで大きな声で言われてしまう。

学校の方針で細い子が良い=体重が軽い子が良い

という構図が成り立ってしまっていることもあり、同じ学年の子(ライバル)に負けない為にも痩せないと!

メンタル的に傷ついてしまう

そうすると、食べると体重が増えるという考えになり、食事をしない子が出てきて、結果的に拒食症になってしまう。

また、衣装はホックをつける位置を変えたりすることができるし、舞台装置で体重を管理しないといけないなど特殊な場合を除いて、体重測定は必要なのか?と記事を書いた方は言っていました。

その学校では120ポンド(約54kg)を超えるとパドドゥクラスを受けることが出来ないそうで、男子生徒は何キロまでデッドリフト(ベンチプレス)を上げれるかも、学校側は知らないとの事。

リフト自体は女性自身の体重よりもタイミングだったりコツの方が重要なので、メンタル的な面も考えて私は体重を測定する必要はない

 

という事が記事に書かれていました。

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https://youtu.be/3zJBYW332-A

 

他にも、細かく書かれていましたがざっくりと気になったところを挙げ見ました。

 

ここからは僕の感想と考えを話していこうかなと思います。

 

まず、この記事を書いた人の考えは気になるところもありますが、考え的には良いと思います。

バレエは細くて綺麗なスタイルじゃないといけないという考えが古くからありますし、今現在もそうです。

その考え方が世界中に浸透して名門バレエ学校では現在も体重測定が行われています。

 

僕は男性なので女の子の成長期にどのくらい体重や体型が変わるかなど体験したことがありませんので、そこだけを詰めて話をするつもりはありませんが、

体重測定は個人的には必要なのかな?と思います。

しかし、数値を他の人に大声で報告するとかは反対ですけどね。

 

もっと言えば、体重測定をするなら身体測定やBMI(体格指数)、筋力測定等も並行して行う必要があると思います。

人間誰しもが同じ体型なんてことはありませんし、一人一人体の作りが違うので、絶対に45〜50、55kgじゃないとダメです!ということもありません。

プロになってからより実感することなんですが、プロのダンサーでカリカリの骨みたいなスタイルで半端なく高く飛んだり、沢山回ったり、演技力がずば抜けている人って、見たことないんですよね。

むしろ、現在世界中のバレエ団で活躍しているバレリーナたちはしっかり筋肉もあって骨格もどちらかというとゴツい感じの方が多いイメージがあります。

もちろん、中にはロシア人特有の高身長、超モデル体型で美しい方もいます!

ただ、それは生まれ持った物なのでそんな人もいるな〜的な感じです。

 

ですので、成長期真っ只中の子供達が体重が重くて悩むという問題に対しては体重測定をするなら

他のもっと細かな測定もする必要があるのではないかな?と思いました。

 

 

ここからは食事面やメンタル面のお話をしていきます。

先ほども記事にありましたが、ライバルにも自分の体重を知られ、

基準体重よりも重いと食事をするのが怖くなり(食べると体重が増えるという考えがあるから)拒食症になってしまう。ということについてです。

 

バレエ学校の体重測定の方針がなぜ行われているかは分かりませんが、

バレエ学校に最も必要なのはバレエのレッスンと並行して栄養学を行うことだと思います。

何を食べたら太りやすいのか?

どんなものを食べれば筋肉がつくのか?脂肪がつくのか?

小腹が空いた時に何を食べたら健康的なのかなど

事細かに学校で勉強することで、自分の体に何が足りていなくて

何が余分なのかなども理解出来るようになります。

それと伴って先ほど僕の考えも並行していろいろな測定も出来れば、体重で悩む子も少なくなるのかな?と思います。

 

例えば学校の中で50kg超えてはいけません!みたいな暗黙のルールが存在しているとして、

いろんなタイプの体型の人がいるので

例えば、・身長が高い人、低い人・筋肉がつきやすい人、つきにくい人・見た目は細いけど筋肉が詰まってる人などなど、

本当に人それぞれなので、学校自体がその人にあった体重値を分かっていないとダメなんじゃないかな?考えれますね。

 

その上での体重測定をするのでしたら僕個人的には体重測定は必要かな?と思います。

 

で、気になったことなんですが

男子生徒のことも少し書いてありましたが、

120ポンド(約54kg)を超えるとパドドゥクラスに参加できない

学校側も男子生徒がベンチプレスをどれだけ上げれるかも知るべき、リフトはタイミングやコツの方が体重よりも重要だと書いてあったんですが

 

気になったのは最後の部分ですね

【リフトはタイミングやコツの方が体重よりも重要】というところです。

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https://youtu.be/3zJBYW332-A



 

男性ダンサー目線で、確かにリフトをする上でタイミングやコツは大切です。

しかし、記事にはパドドゥクラス(学校)とあったので…

学生のうちはそもそも男性側もコツやタイミングをちゃんと理解している生徒は居ないです。

タイミングやコツを理解する(勉強する)ためにクラスがおこなわれているわけですから。

ですので、女子生徒のためのパドドゥクラスではく、男女生徒のためのパドドゥクラスであることを間違えてはいけないです。

その上で、体重制限があるのは

プロのダンサーだとコツやタイミングがわかるので『体重よりも』という言葉は当てはまりますが、体が出来上がっていない生徒ですと当てはまりません。

女性を持ち上げるというのは、単に重いものを持つとは訳が違います。

ベンチプレスで70〜100kgを持ち上げれたとしても

組む女性は生物(ナマモノ)ですので、落としたら怪我をさせてしまうというプレッシャーは計り知れません。

また、リフト中にバランスが少しでもズレたり、崩れたりすると

女性を落とすまいと思い体の変な部分に力が入ってしまい

最悪の場合、ヘルニアや肩関節の損傷、足腰等の関節にダメージが加わり

ダンサー人生が終了することもあります。

と言うこともあり、体の出来上がっていない男子生徒もいるので120ポンド(約54kg)以上ある女子生徒はパドドゥクラスに参加することが出来ないと言う学校側の意見に納得することができます。

それを容認してしまうと、男子生徒の体に少なくともダメージが生まれるのが明らかです。

ですので、【タイミングやコツの方が体重よりも重要】という部分は

条件付きで、パドドゥをしっかり学んだ上で経験豊富なダンサーが言うならタイミングやコツの方が体重よりも重要】という風に言い換える必要があります!

 

 

という事で、今回は一つの記事を読んでみて

僕なりに感じたことや考えをお伝えしてみました。

色んな考えや主張が浸透し時代に合わせて変化しているので

必ずしも正解があるということはありません。

今回僕がお話ししたことも、人によっては全く違うことを考える方もいるので

あくまで、こんな考えもあるよ!ってくらいで感じていただけたらなと思います。